ラジオアイソトープの安全管理と使用の実際

摘要

自然界には，地球の外から降り注いでいる宇宙線があり，太古の昔より存在するウランやトリウムおよびそれらの娘核種などから出ている放射線が存在する．放射線は目に見元ず，耳に聞こ元ず，触わてもわからず，味も臭いもなく，人の五感では感じることができない．我々が実験で取リ扱っている放射性同位元素（RI, radioisotope）も同様である．これらを安全に取リ扱うために，どのよぅな手段を用いたらよいやだろうか？ RIを用いたトレーサー実驗の取リ扱いには，RI汚染が伴う．一般試薬の実験でも同じことが起こっているが，RIはごく微量でも検出できる測定器を手軽に用いることができる．このことはRIの存在を確認しながら実験を行えば安全に取リ扱えることを意味している．そこで，実験でRI を取り扱う前に，放射線の基礎知識や測定器などの安全な取リ扱い方を習熟する必要がある。