HMGドメイン遺伝子SSRP1はシ□イヌナズナにおけるDNA脱メチル化およびゲノムインプリンティングに要である

摘要

遺伝子発現制御やゲノムの安定化を担うメチル化DNAの付加および維持機構について，近年急速に理解が進hでいる,一方で，その逆の反応であるDNA脱メチル化の機構には数多くの謎が残されている~(1), 2))DNA脱メチル化のモデルとして，過去に哺乳動物の研究から，塩基除去修復機構を介した，メチルシトシンの切り出しと修復合成による系が提唱され，後にシロイヌナズナの突然変異体の研究から，塩基除去修復系で機能するDNAグリコシラーゼDEMETER (DME）がDNA脱メチルィヒ酵素として同定され，注目されている~(3))しかしながら，現状ではDNAが脱メチル化されて遺伝子発現が活性化される過程のごく一部が明らかになっているに過ぎない，そこで，筆者らはDNA NQメチル化で制御され，母親由来の遺伝子が択的に発現するシロイヌナズナFWA遺伝子を用いて，DNA脱メチル化に関わる新規因子の単離を試みた。