ナチュラルへルパー細胞の寄生虫感染·アレルギーにおける役割

摘要

蠕虫をはじめとする寄生虫感染では，Th2サイトカインによる生体防御が重要であることが知られており，今なお寄生虫感染が深刻な問題として残る発展途上国ではその制御機構の解明が待たれている．一方，先進国では生活環境の改善から寄生虫感染が減少したものの，それに伴いTh2サイトカインによって誘導されるアレルギーの問題が深刻化している．；寄生虫感染，アレルギーの両者では｜ L-25やIL-33といった比較的新しく報告されたサイトカインによってTh2サイトカイン産生が誘導されるが．前者では感染体の排除が行われるのに対し，後者では病態の悪化が見られる．本稿では，IL-33によって活性化し． Th2サイトカインを産生する新しい自然免疫系の細胞，ナチュラルへルパー細胞を中心に，新しいTh2サイトカイン産生細胞について概説する．