立体構造決定法総論

摘要

連載の第1回目に「構造生物学のセントラルドクマ」の説明をしました。なぜ．実験に基づいた構造決定が必要になるのかの理由を述べたものです．夕ンパク質に代表される生体高分子の立体構造は自発的に形成されます．その最終的な立体構造は熱力学的に一番安定な状態です．単純に考えると．計算機の中に作った構造モデルが十分現実に近く．計算時間が豊富にあれば．実験をしなくても構造決定ができそうです．昔も今も．アミノ酸配列から立体構造が推定できませhか？ という質問をしばし受けます．もし実験デー夕なしで構造決定ができればこhなに楽なことはありませh（図1A）.しかし．実際には水分子を含めた構造モデルの精度が不十分であり．さらに計算量節約のための近似が必要なために．実験デー夕がないと十分な精度で立体構造を計算することはできませh．