レチノイン酸が誘導する穎粒球分化過程におけるヒストンメチル化酵素のN-アセチルグルコサミン化

摘要

エピゲノムは，細胞種特異的な遺伝子発現パターンを決定し，多様な細胞機能を支える重要な機構である1)ポストゲノム研究の重要な課題の1つは，これらエピゲノムがどのように遺伝子DNA上に記憶され，調節されるのかを解明することにある． 最近ではその大きな柱として，クロマチン構造タンパク質であるヒストンの翻訳後修飾が注目されている． すなわち，遺伝子DNAを取り巻くヒストンのアセチル化修飾，メチルィヒ修飾など，いわゆるヒストンコードは周辺領域の遺伝子発現を規定することが広く知られるようになった2)．本稿では，最も重要なコードの1りであるヒストンメチル化修飾が，核内における糖修飾によって制御されていることを明らかにしたので紹介する3)