Atg5やAtg7を必要としないオートフアジー機構の発見

摘要

マクロオートファジー（macro-autophagy，以下オートフアジーと略す）とは，細胞内成分が二重の膜によって周囲から隔離されけートフアゴソーム），リソソームと融合すること（オートリソソーム）によって内容物が消化される細胞内浄化機構である~(1)).その実行メカニズムは，出芽酵母を用いた遺伝学によって解析され，これまで6:30余のオートファジー関連遺伝子(Atg）が同定された． これらの分子のうち，Atg5 ，Be clinl，Atg 7などは酵母のオートファジー実行に必須と考えられており，哺乳類でも同様の機構の存在が想定されてきた~(2)-4)).実際に，Atg5やAtg7を欠損したマウスでは，オートファジーが誘導されない細胞が存在し，これらのマウスは出生直後に死亡する． したがって，Atg5やAtがA哺乳動物においてもオートファジーの重要な部分を担っていることは間違いない．一方で，これらのマウスの胎仔は顕著な異常が見られず，Ag5やAtg7に依存しない細胞内浄化機構の存在も予想される． そこで，筆者らは，主としてAtg5欠損マウス由来の細を用い，新たな細胞内浄化機構の存在について検討した．