生体内分子細胞イメージングで解き明かす慢性炎症を背景とする生活習慣病病態～ メタボリックシンドロームから血栓形成過程まで～

摘要

最近の研究で,各種生活習慣病（肥満． メ夕ボリックシンドロ-ム．糖尿病，動脈硬?）の背景には．慢性炎症を基盤とした異常な細胞間相互作用が生体内で生じていることが明らかにtdってきた． 生体内の各組織では複数の細胞同士． 特に実質と間質の細胞が常に相互作用しており，その破綻が疾患につながると言える．しかし． 従来の単一の細胞種(培養細胞）を用いた分子生物学的手法,および固定標本の形態学的検討では,その本質，特に生体内における詳細な多細胞連関のメカ二ズムや背景にある分子機構に迫ることが難しかった． 筆者らは，"生体内で細胞を見て，働きを知る""生体内細胞イメージング手法"を独自に開発し，生体内の組織構築や細胞動態を手に取るように可視化した(図1).