種間で保存された心機能調節因子NOT3の大規模invivoショウジョウハエRNA,スクリーニングによる同定

摘要

虚 血性心疾患や脳血管障害といった循環器疾患はいまだに世界の死因の第1位であり，疾患メカニズムの理解ならびに新しい治療法の開発が求められている．近年の分子生物学研究の進歩により，循環器の生理機能や病態発症に関わる多数の遺伝子が同定されてきたシステムレべルでの成体での心機能調節の解明はいまだ十分になされているとは言えない1）.ところで，CCR4-NOT複合体は．酵母の変異体から見いだされた1MDaのタンパク質複合体2)で，転写調M. RNA deadenylace(mRNAのply-A分解），ユビキチンリガーゼ活性を持つことにより多彩な機能を発揮するユニークな分子複合体であるが（後出の図2C 参照). 哺乳頰などの個体におけるCCR4-NOT複合体の生理的意義はまったく不明であった．今回筆者らは，大規模invivoRNAiス,クリーニングを行うことにより心機能調節因子NOT3を初めて同定した．