炎症性腸疾患に対するわれわれの治療戦略

摘要

炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Diseases： IBD)は消化管に原因不明の炎症をおこす慢性疾患の総称で，潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis： UC)，クロ一ン病(Crohn's Disease： CD)の2疾患からなる。本邦におけるIBDの頻度は欧米に比し低いとされていた。しかし，最近では本邦の患者数も増加し，UC約16.6万人，CD約4万人と欧米に近づきっっある。UC， CDともに若年者に発症することが多く長期にわたって治療が必要となるため， Quality of Life (QOL)を低下させるだけでなく就学，就労や結婚，出産など社会活動の妨げとなる。