電子相関とバンド構造の協奏?高温超伝導の理解と物性予測をめざして?

摘要

我々の研究室では「電子相関とバンド構造の協力効果」をーつのキーワードにして、物性物理学の理論研究を行っている。物理現象で分類すると、超伝導と熱電（ゼーべック）効果が主たるテーマである。物性理論研究においては既存の実験結果の起源を解明することが重要なテーマとなるが、一方で、実験に先hじて新奇物性を理論予測し、それが実験的に検証されれば、理論研究者としてはこの上ない喜びである。本稿では、このような観点も含めつつ、主に超伝導に焦点を当てて、これまでの研究室活動の概要と今後の展望を述べたい。