南半球周航観測の意義

摘要

2003年8月から2004年1月にかけて，海洋科学技術センター（JAMSTEC）所属の研究船「みらい」を利用して，南半球中緯度の各大洋を横断する海洋観測が実施される。 この観測航海は，1990年代にWOCE（World Ocean Circulation Experiment）計画で実施された高精度CTD＋採水観測線を，約10年の後に再度観測し，この間に海洋内部に生じた変化を検出しようとするものである。本稿では，この観測の内容について紹介し，その直接的な科学的意義と，国際共同事業としての意義について概説する。