エンジン同時3点点火用高輝度Nd:YAG/Cr:YAGセラミックマイクロレーザー

摘要

自動車用エンジンを代表とする内燃機関の高効率化を実現できる新しい点火方式として，高輝度固体レーザーを用いたレーザー点火の研究を進めている。我々は2006年より科学技術振興機構（JST）の地域イノベーション創出総合支援事業「光波反応制御内燃機関をめざしたマイクロレーザーの研究開発」に於いて，平等の提唱する「ジャイアントマイクロフォトニクス」の設計思想を基にLD励起のNd:YAG/Cr:YAG受動Qスイッチレーザーの小型化，高輝度化最適設計を行い，点火が可能な高輝度レーザーをプラグサイズまで小型することに成功した1)。さらに2008年からのJST産学官共同シーズイノベーション事業「車載型マイクロレーザ点火エンジンの研究」では実用化と高性能化を進め，共同研究を行っている日本自動車部品総合研究所において，最終目標であった世界初となる市販車両のガソリンェンジンにレーザープラグを搭載しての走行実験にも成功している，本稿ではシーズイノべーション事業の中で高性能化のー環として行った，内燃機関のさらなる高効率化を可能にする次世代の同時多点点火レーザーモジュールの開発研究の結果について報告する。