膜を使った微細藻類の回収方法の開発

摘要

循環型社会への移行が進む中，微細藻類を 利用したバイオ燃料産プロセスへの注目が 高まっている.微細藻類は植物の十倍以上の 増殖速度が期待できる他，陸地だけでなく海 洋においても培養できることから，従来のパ イオ燃料が抱える栽培地の限界と低い収率と を解決できるため，既存のバイオ燃料よりも 人規模な燃料供給が可能とされる（図1).微 細藻類によるバイオ燃料生産プロセスは，① 培養，②回収，③精製の3段階に大分される. 各ブロセスではさまざまな課題が挙がってお り，結果として当初は1L 1万円を超える生 産コストとなっていたが，微細藻類によるパ イオ燃料生産の実用化に向けて，農林水産省 と経济産業省によるプロジェク卜が立ち上がり，培養をデンソーが，精製を出光が，回収 を中央大学が担当し，各プロセスのコスト低 減に向けた研究開発を2012年から2017年の 5年間実施した.本報では，特に中央大学が 担当した微細藻類の分離膜による低コスト回 収技術について，開発経緯と開発した技術に ついて報告する.