連続的な結合生成反応を駆使した有機ELディスプレイ材料の創出

摘要

有機エレクトロルミネッセンス（以下，EL)ディスプレイは，次世代の薄型ディスプレイとして期待されており，現在世界の化学メーカ一で盛hに研究開発がおこなわれている.その最大の特徴は，3 mm以下の非常に薄いディスプレイや折り曲げることのできるディスプレイを実現できることである.また，応答速度や消費電力の面でも，液晶やプラズマなど，他のディスプレイに比べてはるかに優れている.現在でも，携帯電話や力一オーディオに有機ELディスプレイが使用されており，2007年には有機ELテレビが市販されている.これら魅力的な性能にも関わらず有機ELディスプレイの普及は順調に進hでいない.これは，既存の有機ELディスプレイの材料となる化合物の合成法が未だ確立されていないことから，低価格化への対応が遅れているためである.