生化學関連分野での連続クロマトを利用した分離精製技術の新展開

摘要

液体クロマトグラフィーは，溶質とクロマト充填剤との間に生じるさまざまな相互作用を用いて溶質分子同士を分離することが可能であり，小親模な充填カラムを用いた分析装慣としての利用から出発して，その後，大型カラムを用いた工業規模の分取操作への適用に至っている．この分離法は穏和な条件での運転が可能であることから環境変化に敏感な生化学物質の分離にも適している．そしてさらに，分離の効率化を目指して連続定常操作を可能とする装健の開発が行われ，今日，二つの方式の装置が実用化されている．すなわち，擬似移動層型クロマト装置（Simulated MovingBed，SMB）と回転卿犬クロマト装闇（Continuous Rotating Annular Chromatograph，CRAC）である．本稿では，連続クロマト装置ならびにその周辺技術の最近における研究開発動向について概説すると共に，近年脚光を浴びつつある連続反応クロマト装置についても紹介したい．