超高密度にポリマー鎖を付与した微粒子の合成と応用

摘要

微粒子に関する研究は，基礎，応用を問わず古くから盛hに行われ，今なお活発な研究分野の一つである． 微粒子の高い有用性が認識され，応用技術への展開が期待されるためであり，事実，医療，電子·光学材料など幅広い分野への実用化が進められつつある． 既存技術にとどまることなく新しい微粒子の開発は微粒子科学の新展開，さらに応用技術の発展につながると確信できる． われわれは，簡便性·汎用性に優れ，かつ分子量分布が狭く構造の明確な高分子を合成できるリビングラジカル重合法（(LRP)')を駆使し，新しい微粒子の開発とその高次構造制御，特に新しいタイプのコロイド結晶の創製に注力してきた． ここでは，LRP法を使った表面開始グラフト重合による有機·無機複合微粒子の合成，その複合微粒子による準ソフト系コロイド結晶の創製に焦点を絞り，最近のわれわれの研究成果を概説する．