磁気機能性流体中における微粒子の挙動とその応用

摘要

磁気機能性流体とは，磁場に応答する機能性流体であり，大別するとオレイン酸などの界面活性剤で表面処理を施したナノサイズの強磁性微粒子を水やケロシンなどの溶媒に懸濁したコロイド溶液である磁性流体1.3)と，ミクロンサイズの強磁性微粒子を分散させたMR (Magnetorheological）流体がある4)また，磁性流体にミクロンサイズの強磁性微粒子を混合した流体を利用した応用開発も行われており，このような流体を磁気混合流体(Ma gne tic compound luid : MCF）とよhでいる5磁気混合流体は，同じ母液の磁性流体とMR流体を混合した流体と見なすこともできる． これらの磁気機能性流体中では，磁場を印加すると流体中の強磁性微粒子がクラスターを形成することが知られている． このような強磁性微粒子によるメゾスケール構造形成が，これらの流体のマクロな特性に大きな影響を与えている． 例えば流動状態において，磁場印加をしていない場合に比ペて磁場を印加している場合の方が粘性抵抗が大きくなることが報告されているの． このように，磁気機能性流体中の微粒子の挙動は流動特性や物性に直接関わっており，応用開発においても大きな役割を果たしている。