超臨界二酸化炭素を周いる環状カーボネートの合成

摘要

通院界状態の二酸化炭素（臨界温度＝304．1K，臨界圧力＝7．4MPa）や水（臨界温度＝647．3K，臨界圧力＝22．1MPa）は，環境への悪影響が少なく安価で入手が容易なために，環境に優しい化学技術，いわゆるグリーンケミストリーを支える環境調和型溶媒として期待されている．一方，大気坤の二酸化炭素濃度の増加による地球温暖イヒを防止するためには，二酸化炭素を単に有害な有機溶媒代替として使用するのみならず，有機合成における化学原料として積極的に固定化?資源化することが重要である．しかしながら二酸化炭素は食も安定な物質のひとつであり，通常，反応させるためには多くのエネルギーと高活性な触媒が必要である．このために実用規模で経済的に行うことが可能な反応プロセスは，アンモニアと二酸化炭素からの尿素合成，フェノールのアルカリ金属塩と二酸化炭素からのコルベーシュミット反応によるカルポン酸合成，二酸化炭素の水素化によるギ酸およびギ酸誘導体の合成等，かなり限定されてしまう．