瑞浪超深地層研究所における深部地質環境のモデル化を目指した地質学的調査

摘要

わが国における高レベル放射性廃棄物の地層処分については，1976年から研究開発が開始され1999年11月に核燃料サイクル開発機構（現：日本原子力研究開発機構，以下，「原子力機構」）が公表した報告書「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性一地層処分研究開発第2次取りまとめ一（核燃料サイクル開発機構，1999)」（以下， 「2000年レポート」）によって，(1）日本にも地層処分に適した安定な地質環境が広く存在すること，(2）現状レベルで実現可能な工学技術によって人エバリア（埋設された放射性廃棄物から，放射性物質が生活環境へ移行することを抑制するために人工的に設けられる障壁をいい，緩衝材，コンクリートなどの処分施設における人工構築物の総称：経済産業省資源エネルギー庁，2008）や処分施設を設計?施工できること， （3）地層処分の長期にわたる安全性をシミュレーションにより予測的に確認できること，すなわち「地層処分を事業化の段階に進めるための，信頼性のある技術的基盤が整備され