MFS輸送体の構造とその輸送機構

摘要

MFS（major facilitator superfamily）は基質の電気イヒ学ポテンシャルにしたがって輸送を行う輸送体（transporter）のなかで最大のスーパーファミリーである．M．H－Saier Jr．らの分椀（www.tcdb.org），I．T. Paulsenらの網羅的ゲノム解析（www.membranetransport.org）によると，Mf；Sスーパーファミリーは50以上のファミリーに分かれ，原核生物からヒトにいたるまで各界にあまねく存在し，メンバーの数はシーケンスが知られているものだけでも5000を越える（2007年6月現在）．MFS輸送体ほ細胞質側にN末端とC末端をもち，多くは400から600＝残基からなり6本ヘリックスが遺伝子重複してできた12回膜質通塾である．また，MFS輸送体は双方向に輸送が可能で，単一輸送（uniporトer），共輸送（sympor亡er），対向輸送（弧dpor〔er）の3形態がある．単一輸送ほ単純に基質をその電気化学ポテンシャルにしたがって膜輸送する．共輸送は2つの基質を共役して同方向に，対向輸送ほ連方向に膜輸送する。 いずれの場合も片方の基質のポテンシャルを利用してもう片方の基質をポテンシャルに逆向きに輸送（能動輸送）できる．基質も多様で，単糖やオリゴ糖を単一輸送するもの，H＋やNがの勾配を利用して単糖やオリゴ糖を取り込むもの，逆にH＋勾配を使って異物を排出するもの，有機リン酸と無機リン酸を対向輸送するものなどがある．