接着剤価格およびチップ価格の高騰が及ぼすパーティクルボード製造の採算性への影響

摘要

昨今の原油価格の高騰が、重油やガソリンなどの燃料のみならず、接着剤やチップの価格にも大きな値上げをもたらしている。 これによって、木質パネルの産業の採矧裾こ対しても大きな影響を及ぼしている。 本研究では、接着剤とチップの価格変動がパーティクルボードの製造コストにどのような影響を及ぼすかについて考察した。 その結果、2004年以降、製造コスト中に占める接着剤とチップの割合の増加によって、メーカー側の採算が確保されていない可能性が高いことが分かった。 またこの状況が続くと採算制れが長期化することが示唆された。 この状況を改善するための方策として、低コスト接着剤の開発、サーマル利用の熱源として投入するための新たな原料の確保、マテリアル利用に対してもサーマル利用と同程度の公的補助の導入することなどが必要である。