知識創造を誘発するワークプレイス研究一鹿島技術研究所本館研究棟の検討事例一

摘要

当社新研究所の建設において,知識創造を誘発するワークプレイスを目指して検討を行った。まず,11の研究グループを対象に行ったアンケートとヒアリングにより,研究分野の特性に起因するワークスタイルの特徴を把握した。次に,研究者の知識創造にとって深い思索のための集中と異分野の知見に触れる交流が必要であるとの仮説を立てた。これらの結果をもとに,「集中と交流」の両立とバランスをテーマにワ一クプレイスを計画した。POE (Pre and Post Occupancy Evaluation:入居前後利用者評価)アンケート調査では,集中と交流の両活動に対応した施設の満足度は向上し,知識創造に関連する日常的な活動態度にも向上が確認された。ソーシャルネットワークの変化から,交流の活性化のために継続的に実施した企画?運営?施策による顕著な変化も確認され,ここで想定した仮説の妥当性が検証された。