レブンアツモリソウの販売が礼文島への 訪問者数に与える影響

摘要

生物多様性の保全を考える際、絶滅のおそれのある野生動植物種を絶滅から回避させる ことは極めて重要なテーマである。北海道の礼文島では、固有種のレブンアッモソウが 盗掘により絶滅の危機に瀕していた。群生地の個体数は落ち着きを見せているが、依然と して環境省のレッドデータブツクには絶滅危倶IB類として登録されている。このような 中で、レブン7ッモリソウを商業的に販売するという新たな保全策が提起されている。商 業的販売は希少価値の低下によって自生地からの盗掘を減少させるとともに、販売で得た 利益を群生地の保全に活用できるという利点を持っが、希少価値が低下することで、観光 客の減少を招く可能性も指摘されている。本発表では、レブンアッモリソウの商業的販売 をめぐる人々の認識を整理するともに、レブンアッモリソウの商業的販売が礼文島への観 光客数に影響を与えるのか否かについて議論する。