小学校算数科における統計カリキュラム改訂に向けた一提案-「統計的推論力」育成の視点から中学校との連携を考えて-

摘要

本稿では，先行事例で確認できる各学年段階の児童の「統計的推論力」（Ben-Zvi&Garfield，2004）を，現行の中学校の統計指導との関連性から再評価した上で，算数科における統計カリキュラムの改訂に向けて，中学校との連携を推進する方向性について2つ提案した.①小学校低学年から質的データの題材だけでなく，量的データの題材も取扱い，統計的推論力の一つの基盤となる「分布の見方」（川上，2013）を漸次的に構成していく．②小学校高学年において，ドットプロットを用いて分布を直観的に捉えて説明する活動を重視する．