冷戦期アメリカの対日外交政策と日本のテレビジョン放送導入

摘要

日本のテレビジョン放送開始の取組みは，第二次世界大戦後のサンフランシスコ平和条約の交渉が開始された時期に，日本放送協会（以下では，NHK）と読売新聞グループによって進められた．当時は東西冷戦の初期で，アメリカはソ連·共産勢力に対抗するために，新しい防衛体制の確立を模索していた．この動きの中でアメリカは軍事戦略として心理戦（psychological warfare）部門を整備し，海外向け放送として1942年に開始した「ボイス·オブ·アメリカ」（VoiceofAmerica，以下では，VOA）を，、1948年には対ソ戦略上の手段として位置づけた．以下に明らかにするように，テレビ技術の開発に伴って，テレビジョン放送が心理戦の有用な手段として理解された結果，カールム3／ト（Karl．Mundt）上院議員は「ビジョン·オブ·アメリカ」·議会添説で，テレビを利用．した心理戦の必要性を説き，その中で，日本への噂入を強く主張した．この根葉を読売新聞グルTプは績極的に受け入れ，民間テレぜ野謡七放送の舞現に進hだ．