山形県蔵王火山群?酢川最上流部で後期更新世に発生した大規模火山体崩壊

摘要

山形盆地南東，蔵王温泉が位置する酢川の源頭部は，瀧山南面や鳥兜山西面を深くえぐるょうな，比高300-500mの急崖（以下本文では崩壊壁と呼ぶ）とそれに囲まれた直径約2 ㎞の広がりのある鍋底状の凹地形（以下本文では力ルデラ状凹地形と呼ぶ）を呈している（写真-1,2,3 ; U絵-1，2，3）?また，酢川に沿って流山地形が下流側の上山（かみのやま）にかけて残され，"酢川泥流“とょばれてきた岩屑なだれ堆積物も確認出来る（図-1 ；写真-4 ：口絵-4）?この岩屑なだれ堆積物には，長径数m~十数mの安山岩ブロツクが卓越的に含まれる?このため酢川源頭部の大きな力ルデラ状凹地形は，火山体の太崩壊の結果形成されたものと考えられてきた（阿子島?山野井，1985 ；八木ほか，2005）?山形蔵王スキ一場は，崩壊壁やその基部に広がる緩やかな斜面に開発されたものである?それは，スキ一場ゲレンデが力ルデラ状凹地形の中央部に向かって集まってくることからも理解できる（写真-1）.