軌道放射光粉末回折測定における粒子統計の効果

摘要

通常の粉末回折データの解析では、粉末試料中に回折条件を満たす結晶粒が相当な数存在することを仮定する。しかし、結晶粒が粗く、回折計の角度分解能が高いほど、この条件を満たすことが難しくなる。最近、筆者らは実験室型粉末回折計の回転試料台の回転角度をステップ走査して得られた回折強度データを解析することにより、回折測定における粒子統計の効果を定量的に評価しうることを示した（Ida et al．，2009）。