SOFCの電力系統における高効率予備力運用の可能性

摘要

電力系統全体の低炭素化には、火力発電の高効率化や 低炭素電源の導入が有効である。固体酸化物形燃料電池 （Solid Oxide Fuel Cell：SOFC）は、ガスタービンと組み合わせることにより超高効率な発電が可能であることか ら、天然ガスや石炭ガス化ガスを燃料としたコンバイン ドシステムへの適用を目指して研究開発が進められている。一方、電力系統の運用に着目すると、火力発電は需給を調整する運用に加え、大規模電源脱落時にも安定供給できるよう予備力運用を行っている。予備力運用は発電機の出力調整幅を必要とすることから部分負荷で行われるため、電力系続全体の低炭素化を進めるには部分負荷運転時の高効率化も有効である。また近年では、太陽光や風力発電のように発電出力が気象条件に左右される自然変動電源が大量に電力系統に導入されつつあり、電力系統の安定運 用には自然変動電源の出力変動に合わせた火力発電の需給調整運用や予備力運用の役割が重要度を増している。