固体高分子形燃料電池用金属セパレータとしてのNiフリーステンレス鋼における表面化学組成の影響

摘要

固体高分子形燃料電池用金属セパレータとして低価格のNiフリーSUS445ステンレス鋼の耐食性を向上させる ために、真空熱処理炉を用いて窒素雰囲気下で表面に熱処理を行った。ここで、Ar雰囲気下で熱処理したサンプルを 比較材とした。電気化学的挙動と表面におけるマイクロ構造は、リニアスイープボルタンメトリー（LSV）測定とX線回折（XRD）によって評価した。また、表面における化学組成と電気化学測定前後の形態を、それぞれグロー放電 発光表面分析装置（GDS）とレーザー走査型顕微鏡（LSM）で分析した。結果として、窒素熱処理は耐食性が向上し、 かつ表面伝導率が低下するという傾向が見られた。一方、Ar雰囲気下で熱処理したSUS445－Arでは耐食性が低下した。