ボクセル空間の重複分解により空間的特徴を捉えた特徴量を用いた三次元物体の形状類似検索

摘要

本論文では, 三次元物体の形状類似検索を対象とした, 新しい三次元物体の特徴量Dense Voxel Spectrum Descriptor (DVD)を提案する. DVDは, ボクセル空間を, 一定の大きさと間隔で, 複数のセルに重複分解し, セルごとに計算したフーリエスぺクトルを特徴量とすることで, 三次元空間中にどのような形状がどこにあるかという空間的特徴を捉える. 近年, 三次元物体の形状類似検索では, 三次元物体から生成したシルエット画像など, 二次元画像に基づく特徴量が, 高い検索精度を得ている. しかし, 外見だけでなく, 内部情報も詳述できる三次元物体の利点を考慮すると, ボクセル表現や点群などの三次元表現に基づく, 検索精度の高い特徴量が必要となる. DVDは, Princeton Shape Benchmark (PSB)や Engineering Shape Benchmark を用いた比較実験で, 二次元画像に基づく特徴量の代表的な手法であるLight Field Descriptor (LFD)や, 同じボクセル表現に基づく特徴量であるSpherical Harmonics Descriptor (SHD)より. も高い検索精度を得た. また, PSBの各三次元物体を, 外接球で覆ったデータセットPrinceton Shape Benchmark in Sphereを独自に作成し, DVDが, LFDやSHDなどの従来手法よりも, 三次元物体の内部情報を捉えた検索ができ. ることを確認した.