二段階燃焼合成法によるTiAl-Ni_3Al系金属間化合物の生成相と微視組織

摘要

一段階目の化合物合成と粉砕が行われることで，燃焼合成で生じがちな中間化合物相の影響も軽減でき，相や組織も安定化すると期待される．既報では，Ti-Ni-Al三元系のTiNi_2Al(τ_4)近傍で二段階燃焼合成法を試みた．一段階目の燃焼合成でTiAl粉末を作製し，二段階目では一段階目で得たTiAl粉末に，（Ti＋Ni＋Al）要素粉末を添加して燃焼合成させた．その結果，結晶粒径約20μmをもち，ほぼ目的組成のTiNi_2Al（τ_4）化合物が合成できた．本研究では，二段階燃焼合成法によって多元系化合物を合成した場合の相や組織を調べる目的から，従来よりも組成範囲を広げ，TiAl-Ni_3Al 線上の広い範囲において燃焼合成実験を試みた．