ネットワークの避雷対策と避雷器の導入事例：＜雷サージ被害対策の見直しとIT社会における避雷器の活用＞

摘要

今日、高度に発達した高度IT社会において、あらゆる機器はネットワークで接続されるようになってきた。 企業におけるビジネス環境においては、オフィス環境のみならず、生産現場においても、より便利で高度なネットワーク環境が整えられ、高い生産性をもたらしている。 しかし、その発達、高度化に伴い自然現象のひとつで、これまでも大きな被害をもたらしてきた雷に対して、近年、被害件数が増加していることが注目され、様々なメディアで取り上げられるようになってきた。 ここ数年、落雷件数が増加しているわけではなく。 雷による被害件数が増加している。 このことは電子機器の小型化、省力化に伴い雷の影響を受けやすくなったことが原因といわれている。 小型化、省力化をもたらす基になっている半導体部品自体が、従来に比べて低電圧動作をするように設計され、今後も更に低電圧化していくといわれている。 また、情報通信機器以外にもこれまで比較的に雷の影響を受けにくいといわれていた機器や、通信機能をもっていなかった機器もマイコンを搭載し、機器自体の制御を行い、通信機能を持つようになってきた。 このような背景を基に、雷サージの被害による損害保険の支払い調査では、2000年には、1998年比で3倍上に増加している。 このことから社会全体は、雷に対して脆弱になってきているといえる。