持続性原則·有能性原則

摘要

技術者は雇用者の要請に応じて製品を製造する責任を負いますが，その製造物が消費者に手渡された後にも製造責任の一端を持ちます．製造物の善し悪しの法律上の責任は製造会社や販売会社にありますが，構造上あるいは構成元素，不純物管理などの責任は製造した技術者にもあります．技術者は理想的な材料を使って理想的な製品を安価に製造して消費者に届けたいと考えるものですが，様々な事情のために理想通りではない製品を“忸怩たる思い”で消費者に届ける場合に持続性原則が問われます．また，製造した製品が長期，短期に社会に対して与える影響について責任があります．製造中や製造直後には気がつかなかったことが長期に渡る使用により明らかになる場合もあります．技術者はそれらの責任を回避してはならないのです．それが持続性原則です．法律上の義務としては“製造物責任”ぁるいは“注意義務”にあたる場合もあります．