熊本大学における金属教育の現状

摘要

本学科が大学科の一つのコースであった頃に比べ，マテリアル工学科という単一学科になってから，学科運営や教育に関する問題点は大幅に解消された．ここでは，学生の留年率についてご紹介しよう．平成18年以前の「知能生産システム工学科」だった頃の材料系学生の留年率は約50％であったが，現在の「マテリアル工学科」の留年率は10％以下になっている．この留年率の減少は，大学科の頃は機械志望の学生と材料志望の学生を入学時に一緒に取って，2年次でコース分けしていたというのが一つの理由である．さらに大きな理由は，少人数教育の効果であると思われる．本学の工学部では，学生定員が少ない学科ほど留年率が低いという傾向が明白に表れており，これは，きめ細かな学生指導がいかに大切であるかを物語っているものと考えられる．