刃物あれこれ（第12回）2種類の国産爪切り

摘要

前回朝倉先生にフランス製の三枚ニッパー爪切りを調べていただいたら，刃先に反りが残っていることが指摘されてしまった．そこで今回は，輸入したドイツ鍛造を東京周辺で加工したヨーロッパ式のラップジョイント爪切りと，新潟県三条市で日本製の鋼材を使いすべて日本式製のラップジョイント爪切りとを比較していただくことにした．幸い当社には昭和5（1930）年10月発行の木版画による商品の図も掲載されている「木屋金物商報」が保存されているので，約80年の間に商品の形状が如何に変化したかも知ることができる．