メスバウアー分光を用いた鉄鋼さびの微細構造解析

摘要

耐候性（大気腐食抵抗性）に優れた耐候性鋼は微量のCr，Cu，Ni，P等を含む低合金鋼である．この耐候性鋼はJIS G3114に規格化され"さびをもってさびを抑える"鋼材として橋梁に代表される鋼構造物に広く使用されている．新世紀の少子高齢化の社会資本を支え，構造物のメンテナンスミニマム化あるいはLCC（Life Cycle Cost）ミニマム化を図る自然環境調和型構造材料として注目されている1）2）．近年報告された日本における（直接＋間接）腐食コストは国民総生産（GNP）の約2 ％，9.7兆円に上り3），その約半分にあたるコストが表面処理·塗装（メンテナンスのための塗装塗り替え含む）に費やされている．