熱延操業支援エージェント構築のための操業診断と圧延操作方法

摘要

近年，IT技術と制御技術の進展に伴い多くの鉄鋼プロセスでの自動運転が可能となり，自動化による操業の安定化と製品品質の向上が図られている。一方，日本鉄鋼業の高度成長を支えてきた熟練者が大量退職の時期に入っており，熟練技術の伝承が重要な課題となっている。この課題を克服するためには，熟練者が保有している知識をできるだけ抽出し技術標準や作業標準の形で整理することが必要である。筆者らは，日本鉄鋼協会研究会「製鉄所「現場力」の維持·発展に向けたエージェント技術の適用」に参加してエージェントをベースとした熱延の操業支援技術の研究を行っている。本稿では，その成果として得られた，熱延の操業状態を分析·診断し必要に応じて操業に介入する操業支援エージェントの構成とその適用について報告する。