地球環境とバイオリアクター～基礎から応用まで～＜第50回＞: 燃料作物農業を実現するソーラーシェアリング·空中多層甘藷栽培システム

摘要

昨年12月にマドリード（スペイン）で開催されたCOP25において，日本は地球温暖化対策に消極的な国に贈る「化石賞」に2度選ばれるという不名誉な記録を残した。石炭火力発電の拡大計画や温室効果ガス削減方法を示すことができなかった環境政策に対し，厳しい評価を突き付けられたのである。だが，具体的な対策を提示できなかったのは日本に限ったことではない。日程を延長し議論を重ねたにもかかわらず，2050年にCO_2排出量を実質ゼロにするという目標達成のための具体策について，実効性も実現性もないまま問題を先送りし会議は閉幕した。同会議では，2018年の気象災害の最大の被災国は日本だったという報告もあった。2019年も猛烈な台風が相次いで上陸し，河川の堤防決壊，土砂災害，家屋の損壊が大規模に発生した。2020年も温暖化は進むため，巨大化する台風や猛烈な豪雨による災害が拡大すると予測される。