レーザー利用サブミクロン球状粒子合成技術とその後の展開

摘要

2010年にわれわれのグループでは，これを発展させた「液中レーザー溶融法」という新しい手法を開発して，発表した。この手法では非集光のレーザー光を利用することで，比較的低いフルエンス条件で粉体ターゲットに照射することで，結晶性サブミクロン球状粒子が得られる。手法としてのユニークさのみならず，生成物の結晶性サブミクロン球状粒子は従来法では得られない新しい粒子であることも，本手法が注目を集めている理由である。すでにいくつかの解説記事としてその内容について紹介しているが，本稿ではこの手法の異なる視点からの解説と長近の動向を紹介するとともに，本手法の化学装置への適用の可能性について取り上げる。