強制薄膜式リアクター（ULREA SS-11）を用いた新しい湿式プロセスによる医薬品用ナノ粒子の作製

摘要

以上の特徴を有した，新しい強制薄膜型リアクタ（ULREA）をもちいたナノ晶析により，難水溶性薬物をナノ微粒子化することで，吸収性，BA，皮膚透過性などが飛躍的に向上する可能性があり，今後の製剤開発に大きく貢献できる。また，われわれは，ディスク間に形成される強制薄膜を用いたナノ粒子作製法として，Break-down 法とBuild-up法の双方を詳細に検討してきた。その結果，同様のナノ粒子が得られる場合であっても，ULREAのようにBuild-up法を用いた場合には，Break-down法を用いた場合に比較して必要となるエネルギー投下量が100分の1以下となることも明らかとなっている。ULREAは，容易な操作で低エネルギーかつ低コストでのナノ粒子作製を可能とするものであり，今後のナノテクノロジーの進展に多大な貢献が可能な技術であると期待している。