石油の終焉に利益を出しながら打ち勝つ

摘要

私の講演のテーマは，石油文明から脱却し，新たなビジネスで利益をもたらし，数十年で経済を活性化することが可能だという考え方です。 われわれの研究結果から，これは米国だけではなく，日本をはじめ他国でも同様だと考えています。 最乱「米国も石油依存から脱却すべきである」というマスメディアの論調が増えています。 その背景には，国家の安全保障と競争力が大きなリスクを抱えるようになっているという問題があります。 この1年半をさかのぼるとプ地勢学的な対立もあります。 米国，中国,インドなどの間で,どこが石油を手にするのかという対立が続いているのです。 また，石油ショックなどを契機として，1973年から世界的な経済の低迷が続いています。 さらに今日では，石油の枯渇，気候の安定性が問題視されています。 とくに米国が懸念している事項として，米国を支える中核産業が競争にさらされ，危機に瀕しているという事実があります。 日本の優秀な自動車会社からの脅威がその一例です。 私は日本の素晴らしい技術を称賛する世界市民として，日本の自動車産業の成果を非常に喜ばしく思っていますが,デトロイトの人間は別の見方をしています。