自然の色彩美とテクノロジーの出会い

摘要

いかをる人工物も自然物から造らねばならない。 にもかかわらず，習慣的に人工物を自然から切り離して取り扱ってきたことが，無制限な資源の浪費を起こし，環境を病ます結果を招いてしまった。 それゆえ，自然環境との関係において人工環境をとらえるセンスを持たねばならない。 かつて人類は，すべてのモノを自然との結びつきのなかでとらえ，自分を取り巻く環境の情報を，その色彩によって得てきた。自然の色は自然の生命の営みのなかから生まれるので，そこには環境の情報が映し出されているからである。人類に限ったことではなく，ほかの生物も色を媒体としてコミュニケーションをとっている。 したがって，自然の色は"地球の共通言語"として生態系で機能しているのである。 かくして，人間には「色を媒体として自然とつながる」という遺伝的プログラムが形成された。