超音波探傷による欠陥高さの測定ついて: 斜角一探触子及び分割形斜角探触子による端部ピークエコー法

摘要

最近，非破壊検査分野における超音波探傷法は溶接部の検査法として長足の進歩をしている。しかし，割れ，あるいは溶込不良のような面状欠陥の高さ（断面長さ）の測定については定量化が達成されていないようである。一方，面状欠陥の高さ測定に対する要望は，きわめて高まってきている。そこでNDI 202小委員会では昭和51年5月にWG-11「欠陥の板厚方向寸法の測定方法」（主査：藤盛紀明）を設置し実験を進めてきた。超音波による欠陥高さの測定方法に関しては藤盛が整理しその概要を報告している。筆者らは，それらの方法の中，端部ピークエコー法に興味を持ち，亀裂の深さの推定，あるいは部分溶込み溶接部の溶込み深さの推定にこの方法を利用している。そのような経緯から今回の202小委，WG-11には端部ピークエコー法による標記の実験に参加した。この実験では通常の斜角探触子のほか2分割形（左右）探触子の試用も含めた。