JlS Z 2343-6:10°Cより低い温度での浸透探傷試験について

摘要

JIS Z 2343-6制定前のJIS Z 2343-1:2001での浸透探傷試験の規格では試験体への適用温度範囲は10°C～50°Cの範囲において使用することとなっていた。しかし実際の現場では，暖房の効いた室内でない限り冬期の気温は10°Cを下回ることが起こりうる。このような低温下での浸透探傷試験に対し，常温（20°C）から低温下（-5°C～-10°C）までの低温実証試験を行い，低温下での検出性を確認のうえ探傷剤を提供していた。しかし，実際には低温実証試験のデータのみでは不十分であり，現場の環境に応じた対処を行う必要があった。2012年12月に“10°Cより低い温度での浸透探傷試験”というJIS Z 2343-6が制定されたので，その内容及びその対応の仕方について述べる。