計測における不確かさ評価と信頼性の確保[21]：高温計測における不確かさの評価

摘要

1996年9月の測温諮問委員会(CCT)において，温度標準関係の5領域の国際基幹比較（キーコンパリソン）の実施が決定された。 1997年4月に開始し，1999年6月末終了した。 国際比較結果は1999年10月にDraft A Reporにまとめられ現在なお審議中である。 今後CCTでの審議を経て各国の目盛りの同等性が提示される。 放射温度計領域はこの5領域の最も高温側にあり，真空の標準リボン電球（標準電球という）をトランスファデバイスとしてこれを回送する方式がとられた。 参加14機関は自らが開発した放射温度計に，ITS-90（国際温度目盛1990）で定義される定点をもとにして高温目盛を値付け，回送される電球の目盛を定めるというブラインドテストである。 この報告は，校正の概要とその結果について述べるとともに，校正に伴う様々な誤差要因に対する不確かさを算出し，高温度目盛に対する評価結果を述べたものである。