ラウンドロビン解析によるASME及びEN圧力容器設計規格における溶接継手疲労強度評価手法の比較

摘要

このように圧力容器の疲労評価法の充実が図られるなか，各手法の特徴や評価結果の違いを体系的かつ具体的に比較し，実務に応用できる水準で検討した報告は，ほとhど見当たらない。また，評価結果に及ぼす解析ソフトウェアや解析者の影響について検証した事例もあまり多くないようである。そこで本研究では，内圧変動を受ける圧力容器の溶接部についてASME及びEN規格の各手法による疲労強度評価を行う，という同一の問題を設定し，複数機関によるラウンドロビン解析を実施する。そして，評価結果から，手法の違いによる評価寿命の差及び各手法の傾向，並びに，解析ソフトウェア及び要素分割等解析者個人の差が評価結果に及ぼす影響を明らかにし，解析設計の実務上注意すべき点や各手法の使用上の指針などを検討する。