高精度分布型光ファイバセンシングによる状態監視技術

摘要

近年、生産設備の老朽化などに伴い、プラント施設の安全対策への社会的な関心が高まっており、同時に環境負荷低減に対する社会的な要求が益々厳しくなってきている。 一方で、企業が晒されているグローバルな競争環境の激化により、プラント施設のコスト削減圧力は依然として続いている。 このような難しい課題を抱えたプラントオーナーへのソリューション提供という観点において、本報で紹介した光ファイバを活用したモニタリング技術は極めて有効な手法であると考える。距離分解能10cm、ひずみ測定精度±15με、温度測定精度±0.6°Cの高精度分布計測型光フアイパモニタリングシステムを用いれば、本報で紹介した配管減肉モニタリング、地下構造圧力分布モニタリングへの適用以外にも様々な高度なプラント状態監視が可能となる。 例えば、屋外石油タンクの裏面腐食管理、長距離パイプラインの漏洩検知、埋設配管/保温配管の外面腐食検知、圧力容器の減肉·熱疲労管理、配管フランジの応力分布、採掘孔の圧力/温度モニタリングなどが挙げられる。今後、本紙面では紹介できなかった具体的な事例、経験、ノウハウに基づいてプラント操業の信頼性/効率性の向上、GHG排出削減に寄与できる具体的かつ実用的なアプリケーション開発を継続して実施していく予定である。