収蔵品点描（4）紙幣·証書（地券）

摘要

平成三十年（二〇一八）年は、明治元年から百五十年にあ たる。江戸幕府が滅亡し、王政復古の宣言のもとに成立した明治新政府は、近代国家をめざして、様々な面から、新体制の整備を急速に推し進めた。富国強兵を目的とした近代国家の建設には、地方支配を強化する政府による中央集権化は必須であった。新しい社会·経済体制によって紙の需要は飛躍 的に増大し、日本の製紙業も大きく変貌していった。ここでは収蔵品の中から、日本の紙幣と様々な証書の中から創業間もない洋紙業にも大きな影響を与えた地券について紹介する。