マラソンにおける酸化ストレスと疲労に対する鍼刺激の影響 二重盲検比較試験による検討

摘要

【目的】マラソンにおける円皮鍼の有用性について、プラセボ鍼を用いた二重盲検比較 試験により、酸化ストレスの変動と身体疲労について検討することを目的とした。【方法】ランナ一17名を無作為に円皮鍼群またはプラセボ群に割り付けした。介入は、 10kmマラソン前に円皮鍼群には円皮鍼、プラセボ群には鍼を抜去したプラセボ鍼を貼 付した。測定は、電子スピン共鳴法(ESR)による酸化ストレス、全身の疲労感(VAS)、 G OT、 LDH、 GPKとした。【結果】マラソン後、疲労感は有意に上昇したが円皮鍼群とプラセボ群に差はみられな かった。円皮鍼群とプラセボ群でマラソン後にヒドロキシラジカル消去活性の増大する 傾向がみられた。【結論】円皮鍼とプラセボ鍼による差がみられなかったことから、円皮鍼の有用性を酸 化ストレスの変動と身体疲労からはみいだせなかった。