緘施術による神経損傷とその安全教育

摘要

昨年の緘施術による長胸神経麻痺に関する報道を踏まえ、第67回（公社）全日本緘灸 学会学術大会において、「緘施術による神経損傷とその安全教育」と題する安全性委員 会主催のワークショップを開催した。第一部では「神経損傷に関する文献レビュー」として、神経損傷に関する国内文献(1980?2017年）と海外文献（2007?2017年）のレビュ一を行った。また、緘と長胸神 経麻痺に関する文献についても言及した。第二部では「深刺による有害事象を防止する ための解剖学的研究の現状」として、2008?2018年の全日本緘灸学会雑誌に発表された 解剖学的研究および教育研究のレビュ一を行った。第三部では、「神経'臓器損傷を予 防するための教育用デバイスの検討」として、人体解剖の3D (3次元）ソフトウェアや 3Dプリンターによる骨格模型等が紹介された。また、今後の展望として、バーチャル リアリティ技術(VR)による教育について提案がなされた。